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PHSの復興なるか!その8

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・通話エリア

携帯電話とPHSを比べて、一番比較されることが多い点がこれかもしれません。

<基地局の配置>
携帯電話はマクロセル方式といい、一つの基地局で1.5km~数kmの範囲をカバーしています。
PHSはマイクロセル方式といい、一つの基地局で100~500mの範囲をカバーしています。
携帯電話の基地局の出力が0.5~30Wなのに対して、
PHSは20~500mWと低くなっているためこのような差が生まれています。

単純に考えると、携帯電話の基地局1つに対して、ほぼ同じ範囲のエリアをPHSでカバーしようとすると、
最低でも10以上の数の基地局が必要になります。

全国に設置されている基地局の数を比較してみると、
NTTドコモ FOMA 約1.5万局
WILLCOM 約16万局
となっていて、1基地局あたりのエリアの不利を埋めるために
WILLCOMがより多くのアンテナを設置してることが分かります。

<周波数帯>
800MHz帯 NTTドコモ(mova) au(1X・1X WIN)
1.9GHz帯 PHS
2GHz帯 NTTドコモ(FOMA)

代表的な携帯電話とPHSを挙げると、上記のような割り当てになっています。
一般に周波数が低い方が電波が遠くまで到達しやすく、また回り込みやすく、たとえば建物の内部まで電波が入り込みやすくなります。
そのため、屋内での使用では800MHz帯を利用しているmova・1X・1X WINが電波状況の上で有利になっています。

現在、movaよりも基地局数が多くなっているFOMAですが、
それでもmovaより電波状況が悪いといわれる理由の一つがこの周波数帯の違いと言えそうです。

–2005年05月18日追記–

5月17日にNTTドコモ FOMAの新端末群、901iSシリーズが発表になりました。
このシリーズでは、2GHzに加えて800MHzへ対応する、デュアルバンド機能が共通仕様として搭載されました。

公式の発表では、この新機能を「FOMAプラスエリア」とし、これまで利用できなかった山間部でのエリア拡大を狙った機能、としています。

都心部では、ドコモに割り当てられた800MHz帯域はmovaのPDC方式向けにフルに利用されていて、FOMA(2GHz帯)への移行で多少緩和されているとはいえ、基地局乱立・電波過密状態を解消できるほどではなく、未だ逼迫している状況だと思われます。
そこで今回は、帯域の利用状況にゆとりのある山間部の空き帯域をFOMAのW-CDMA方式で使用する、という形でのサービス開始となり、“山間部でのエリア拡大”という形になったのでしょう。

逆に、都心部においてもFOMAへの移行が進んで帯域に余裕を持たせることが可能な状況になったり、さらにはmovaが廃止となった場合には、800MHz帯をFOMAでフルに使えることになり、“2GHz帯だから”という理由で生まれていた弱点は消滅することになると言えそうです。

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