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PHSの復興なるか!その9

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・ユーザー数毎通信速度

前回比較した通話エリアに絡んで、
ユーザー数毎の計算上のデータ通信速度を比較してみようと思います。
(いわゆる実測値とは別物です。実測値は電波環境等によって大きく左右されるので
 公称値をユーザー数で割る方式で比較します。)

今現在、第三世代携帯電話の中で最も高速な、auの1X WIN方式と
WILLCOMのAIR-EDGEを比較対象にします。

前回説明した通り、携帯電話はマクロセル方式といい、一つの基地局で1.5km~数kmの範囲をカバーしています。
これは逆に、半径1.5km~数kmの円内にいるユーザーは皆一つの基地局に接続する、と言えます。

auが採用しているEV-DO方式は、公称値で最大2.4Mbpsとなっていますが、
これは1人で1セクタを占有した場合の数値であり、半径数kmもエリアがあれば、
1人しか使っていないという可能性は低く、たとえば2人が使えば1人あたり1.2Mbpsへと半減してしまいます。

WILLCOMのAIR-EDGEのパケット通信は、パケット通信とはいえ、
あくまでPHSの規格の上に作った方式であるので(PHSの統一規格自体にはパケット通信はない)
基地局と端末間に接続が結ばれる際には、無線区間で最低でも32Kbpsの帯域をもらえます。

WILLCOMが以前公表したデータによると、
WILLCOMにおいて丸の内・大手町地域1平方kmあたり、最繁時で220人の同時ダウンロードユーザがいるそうです。
これにはPCの接続が含まれますから、この220人中に[1x](32Kbps)だけではなく、
[4x](128Kbps)サービスを利用していて、複数の回線を使用している可能性もありますが、
利用者が各1回線しか使用できていないという最悪の場合を想定しても、
220人が32Kbpsで通信できているということになります。

これをEV-DOに置き換えて考えてみると、
まず1平方km四方ですから1局のカバー範囲内です。
単純に2.4Mbpsを220人で割ると12Kbpsとなってしまいます。

現在のところ1X WINは、まだユーザー数があまり多くないことや(2005年3月末325万人)、
PCでのパケット定額制は導入されていないため、
帯域を常時圧迫するようなユーザーが少ないことなどから、
端末での実効レートで350kbpsは安定して出ている様です。
ですが、これから1XのユーザーがWINにもっと流入してユーザー数が増えたり、
着うたフルなど大容量のコンテンツ利用者が増えていくに従って、
同セクタ内での同時ダウンロードユーザ数の増加により、レートの低下が考えられます。

また、PHSの場合、ある地点でトラフィックが増え、無線回線数が不足しそうになった場合、
基地局を同エリア内に重ねて増やすことが容易にできるような仕組みになっていますが、
携帯電話の場合はそれが難しくなっています。

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